天満宮祭礼（八朔祭）

場所：

茨城県　ひたちなか市（旧那珂湊市）　天満宮および町内一帯

写真説明：

１９９９年８月２８日、四丁目の曳き山。囃子方は芸者姿の女性。

年中行事：

• ８月第１土曜〜日曜[註]：天満宮御祭礼（八朔祭）

紹介：

芸者による芸能が祭礼の中心となり、現在でも芸者によるゆったりした屋台囃子（おっしゃい囃子）のほか、民謡にあわせた屋台上での手踊りを見ることができる。他に、六丁目獅子（三匹獅子）、元町みろくなど由緒のある芸能が多い。

最終日早朝（５時過ぎ）には勇壮な神輿の浜降りがある。

見所が多い祭礼だが時間的には散在しているので、行事等執行の時刻をよく確認してから見学するのが良いです。

なお「天満宮御祭礼」が正式名称ですが、地元では「八朔祭」と呼び習わします。

註：

• 日程については、近年頻繁に変更されている．書籍等の情報はあてにならない。
• ２００８年より毎年開催されることになった．それまでは規模が大きい行事であるため開催されない年が多く，かわりに比較的小規模な「みなとフェスタ」を行う場合が多かった．

開催履歴：

• ２００９年８月８日（土）〜９日（日）：天満宮祭礼
  • （漫遊空間茨城より）
• ２００８年８月２日（土）〜３日（日）：天満宮祭礼（屋台９台）
  • （水戸地方お囃子研究所の掲示板情報などより）
• ２００７年８月２６日（日）：みなとフェスタ
  • （水戸地方お囃子研究所の掲示板情報などより）
  • （八朔祭は開催されない）
• ２００６年８月２７日（日）：みなとフェスタ
  • （水戸地方お囃子研究所の掲示板情報などより）
  • （八朔祭は開催されない）
• ２００５年９月３日（土）みなとフェスタ
  • １８時より２１時すぎまでパレード（屋台３台）。なお１５時過ぎよりイベントは開始している。
  • （水戸地方お囃子研究所の掲示板情報などより）
• ２００５年
  • （開催されず）
• ２００４年８月２８日（土）〜２９日（日）
  • （市ページより）
• ２００３年８月２３日（土）〜２４日（日）
• ２００２年８月２４日（土）
  • （開催せず、ただし屋台が出る町内があるかもしれない）
  • （15:00 に元町みろく、他が出る、21:00 頃終了、との情報あり。未確認）
• ２００１年８月２５日（土）〜２６日（日）
  • 両日とも 18:00-22:00 歩行者天国。露店は１００ほど。
• ２０００年
  • （開催せず）
• １９９９年８月２８日（土）〜２９日（日）
  • 両日とも 18:00-22:00 歩行者天国。露店は１００ほど。ごったがえす。
• １９９８年
  • ８月２０日天神祭礼、８月２１日年番町宮参り、８月２２〜２３日例祭みこし。
• １９９７年８月２３日（土）〜２４（日）
  • 朝６時から御輿の御浜降り、山車ほか巡行は９時〜２２時。
  • （茨城新聞による）

高橋メモ：

祭礼のスケジュールと見所等はおおよそ以下のようか。

• １日目：9:00 年番町のお宮参り
• ２日目：18:00 天満宮にて例祭
• ３日目：9:00前後 各町の風流物町回り開始（ささら、みろく、屋台は踊りの披露が頻繁、屋台囃子は「四丁目」「おっしゃい」）
  • 14:00 天満宮にて神輿のお綱かけ
  • 17:00 風流物が明神町に続々と集合、整列（屋台囃子は「おっしゃい」が主）
  • 17:30 風流物が一台づつ明神町より曳き出される。屋台は各々本町通りへ（曳きだしでは「四丁目」、その後はほぼ「おっしゃい」のみ）
  • 本町通りで屋台の巡行、六丁目に戻ったささらの披露も頻繁にある。
  • 18:00-19:00 神輿出社、巡幸、御仮宮入り
  • 22:00 屋台は各町に戻る
• ４日目：5:00 御仮宮にて神輿お綱かけ
  • 6:00 和田町御旅所にて神輿御浜入り、その後激しく揉まれながら巡幸
  • 10:00 和田町にて神輿のお腰かけ、年番引継ぎ
  • 10:00前 各町の風流物町回り開始（ささら、みろく、屋台は踊りの披露が頻繁、屋台囃子は「四丁目」「おっしゃい」）
  • 11:00 神輿は御旅所を出発、御仮宮へ。
  • 17:00 風流物が和田町に集合（もっとも屋台囃子曲目のバラエティが多い時間帯のように思う）
  • 17:30 風流物が一台づつ曳き出される（ささら、みろくから始まり、一台々々大通りに出る度拍手が上がる。屋台曲目は「四丁目」「鎌倉」など一番の見せ場か）
  • その後本町通りへ（屋台囃子はほぼ「おっしゃい」、ささらの披露が頻繁）
  • 18:00 御仮宮より神輿還行。
  • 22:00 屋台は各町に戻る（「本町二丁目」で町内入りする町がいくつか見られ風情がある）

資料：

「ひたちなか市ホームページ」による祭事次第（抜粋）

• １日目：年番町のお宮参り
• ２日目：天満宮にて例祭
• ３日目：１７時まで風流物巡行、天満宮にて神幸祭、その後２２時まで風流物巡行
• ４日目：御輿のお浜入り、１７時まで風流物巡行、御輿の還御、その後２２時まで風流物巡行

「茨城の神事」による祭事次第

• ７月２５日：草薙
• ８月１日：年番町が参拝後各町内を回る
• ８月２日午後６時：祭典
• ８月３日午後：御輿の出社。獅子および山車
• ８月４日早朝：御輿巡行、安着。還御、獅子および山車

「祭礼行事」による祭事次第

• 木曜：９時に年番町が参拝、那珂湊の町を回って１６時に帰社
• 金曜：１８時に例大祭、年番引継の儀
• 土曜：９時より風流物が町渡しを開始、１４時頃御輿奉安、神幸、２２時ころまで賑わう
• 日曜：早朝５時、お浜入り、海中で激しく揉む、還幸祭、夕刻還御が終わる。

資料：

囃子は、鋲止め太鼓１、付け締め太鼓２、三味線１〜３、笛１，鉦１。曲目は、おっしゃい、とっぴき。他に、しちょうめ、かまくら、などがあるという。

参考ページ：

• 水戸地方お囃子研究所（お囃子に関する地元笛師による詳細な解説、最新情報）
• 線翔庵 http://senshohamada.hp.infoseek.co.jp/ （長野の方のページだが、祭礼・日程情報等が詳細）
• シンのホームページ http://www.speedway.ne.jp/~sin-5-24/ （磯節保存会の方のページ）
• ひたちなか市ホームページ http://www.city.hitachinaka.ibaraki.jp/
  • １９９７年８月２３〜２４、２００４年８月２８〜２９
• 石岡と土浦の山車（お囃子音声と詳細な解説）
• 茨城県庁ウェブページ
  • 「もの知りいばらき」に詳細情報があります。地図あり。
  • 「漫遊空間」（１９９８年８月２８〜２９日）
• 那珂湊商工会議所 http://www.inetcci.or.jp/~n-minato/
• 読売茨城広告社（１９９９年日程情報）
• 読売茨城広告社（１９９８年日程情報）
• ハローネットジャパン茨城発（１９９７年の茨城新聞情報）
• つくばＰＩＡＺＺＡ（１９９７年８月２３（土）〜２４（日））
• ひたちなか観光便利帳 http://www.hitachinaka.co.jp/
• IBARAKI Cyber Station（デマンド・オン・ビデオあり）
• 茨城県教育委員会（那珂湊の獅子とみろく）

参考文献：

• 菊地恒雄：屋台のわだち，筑波書林．
  • ５０名以上の方々からの、祭りに関する聞き書き集と、関連資料の引用。明治以降の八朔祭りの変遷・歴史・エピソードに関する、きわめて詳細な文献です。
• 菊地恒雄：那珂湊ささら旧聞控(1), 常総の歴史, No.6, 崙書房, 1990.7 .
• 菊地恒雄：那珂湊ささら旧聞控(2), 常総の歴史, No.7, 崙書房, 1991.1 .
  • 六丁目ささらに関する笛方への詳細な聞き取り記録。芸能の内容と伝承・変遷について。
• ガイドブックいばらき（８月下旬）
• 祭礼行事・茨城県（８月第４土曜〜日曜と８月３〜４の双方が記述）
• ささ日本百名祭へ−関東版−（８月１〜２日）
• 茨城の神事（８月３日〜４日）
• 茨城の神輿（８月３日〜４日）
• 茨城の民俗芸能（ささら、みろくの詳細）
• 茨城県万能地図

高橋メモ：

芸者姿がたくさん見られるためかどうか、外国人の見物がたいへん多かった（１９９９年）。

各町の屋台上で芸者が芸能を披露する祭礼は、水戸地方に広く行われていた模様だが、現在ではこの形態を残している祭礼は珍しくなっているようである。天満宮祭礼の他は平磯三社祭ぐらいではないか。他の地域では、屋台に女性が乗る形態と、おっしゃい囃子のうち比較的早調子のもののみが残されている印象である。

編集担当者：

高橋 takahashi@tradevents.org

カテゴリー

[カテゴリ:伝統行事][カテゴリ:ひたちなか市]